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中国のOEM/ODM企業~AFF・東京から~日本市場に活路を開く/広東省からの出展急増

2025年06月11日 (水曜日)

 今日11日まで東京ビッグサイトで、中国の繊維・アパレルOEM/ODM展示会「AFF・東京2025夏」が開催される。揺れ動く国際情勢の影響を受ける中、日本市場に活路を開こうとする企業の出展内容から、中国の繊維産業の現状を探った。(強田裕史)

 AFFは今回で44回目を数えるほど歴史は長く、日本で開かれる最大規模の繊維のOEM/ODM展示会として定着している。2025年は東京と大阪で各2回の開催を予定する。

 主催するAFFによると、新規出展者は回を重ねるごとに増えている。今回展は特に、中国の代表的な繊維産業の集積地である広東省からの出展が急増した。

 広東匯棉紡織もそのうちの一社で、日本企業との直取引を目指し、出展した。同社は、ニットを中心とした製品を手掛け、生地からの提案も推進する。

 中山市に自社工場を構え、製編や染色整理加工を一貫して担う体制を築いている。液体アンモニア加工綿、反毛綿、スラブ綿などを使った柔らかい風合いと高機能性を備えた素材を豊富にそろえる。

 これまで欧米向けを中心にビジネスを展開しており、日本には貿易企業経由で製品を輸出していた。「今後は日本企業と直接取引したい。要求には極力応えるし、それだけの供給体制は整っている」と意欲的な姿勢を前面に出す。

 広東聯潤紡織も日本市場を開拓する契機をつかむため、AFF・東京に初めて出展した。スポーツウエアやヨガ用インナーといったニット製品を手掛けており、編み立て、染色、縫製までを自社で行う。

 生地メーカーからスタートした同社は、かつて生地を日本に供給した実績もある。現在は主に欧米や豪州、韓国の企業と取引しているが、日本企業に向けた製品のOEM/ODMにも事業領域を広げようとする。

 「中国の工場の技術力は優れており、製品の品質も高い。日本の消費者に受け入れてもらえるはず」と訴える。

 嘉興思凱服飾は、アウターを中心とした織物製品を生産する。浙江省嘉興市に本社を置く企業だが、カンボジアやミャンマーでも自社工場を運営する。

 取引先の大半を欧州が占め、日本向けは10~20%程度だと言う。東南アジアにも工場を持つため、国際情勢の影響は限定的とする。今後の事業成長を目指し、日本企業との取引の拡大を図っている。

 「デザイン性に優れた日本のアパレル製品には、当社の提案力を生かせるはず」とアピールする。