この人に聞く/AFF社長 黄 雨晨 氏/中国繊維企業の多様性発信
2025年06月11日 (水曜日)
今日11日まで東京ビッグサイトで「AFF・東京2025夏」が開催中だ。中国のメーカーや商社など約450社が出展し、アパレルをはじめとした繊維製品の供給力をアピールしている。主催するAFFの黄雨晨社長に、同展の特徴や今後の方向性などを聞いた。
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――中国のOEM/ODM企業の現状は。
揺れ動く国際情勢の影響で、不安定な状況に置かれ苦労している企業が多いです。
そうした中、安定的な取引が期待できる対日ビジネスへの関心は一層高まっています。今回は出展者のうち新規が多数を占めていることにも、日本企業への関心の高さが表れています。
――今回展の特徴は。
広東省から約50社が出展するのは初めてのことです。これまでは江蘇省、浙江省、山東省の企業が出展者の中心でした。広東省の企業が加わることで、日本企業の選択肢が増えるばかりでなく、中国の繊維産業の多様性も発信できます。
広東の企業の出展品目は、セーター、ワンピース、インナー、スポーツウエアと多岐にわたります。アパレルだけでなく、高機能素材、刺しゅうワッペンやボタンなどの副資材、バッグや帽子などのファッション雑貨と幅広い種類の繊維製品が紹介されています。
広東省は生産が盛んでありながら、日本市場が未開拓の企業も多く、新たな出会いが生まれる期待が高まっています。
地域性を打ち出す試みとしては、「〝青島優品〟エリア」の設置も挙げられます。来場者が産地の特徴をつかめるというのも、AFFの魅力の一つと捉えています。
――回を重ねるごとに進化を図ってきました。
「AFFセレクション」エリアには、対日ビジネスで豊富な実績を持つ企業が集まり、機能性や環境配慮で付加価値を高めた商材が数多く出品されています。同エリアへの出展を希望する企業が増えており、全体的な出展者のレベル向上につながっています。展示会としての価値を高める効果を発揮しています。
展示会の延長線上の取り組みとして開く交流会も好評で、展示会とは異なる形のマッチングも生まれています。
――今後のAFFについて。
2025年は東京と大阪で2回ずつ開催します。せっかく年に4回も開くのですから、より明確に季節感を打ち出せる内容にしたいですね。
魅力ある企業の新規出展も増えていますので、日本の皆さんはぜひ次回以降もご来場ください。