繊維ニュース

ザ・ネクスト/帝人フロンティア 衣料テキスタイル・製品開発課長 宇熊 昭雄 氏/自由に考えられる環境を

2025年06月11日 (水曜日)

 合繊メーカー系商社として新しい生地を生み出し続けている帝人フロンティア。すだれの構造を再現した高機能快適素材「爽多」をはじめ多くの商品を世に出してきたが、開発を担うのが衣料テキスタイル・製品開発課だ。4月から同課の課長を務める宇熊昭雄氏を紹介する。

  ――経歴を教えてください。

 2008年に帝人に入社し、帝人ファイバー(現帝人フロンティア)に出向します。当時、大阪府茨木市にあった大阪研究センターで約5年間にわたってポリエステル長繊維生地の開発に携わります。その後はタイに赴任し、3年半後に国内に帰任します。戻ってからもポリエステル長繊維生地の開発を担当します。

 タイの合繊織布・染色加工会社であるタイ・ナムシリ・インターテックスに在籍した3年半は、初の海外赴任ということもあって印象に残っています。良くも悪くもさまざまな経験をしましたが、工場で品質の不具合が発生したときにいろいろな人に助けてもらったことを思い出します。

  ――今年4月に課長に就きました。考え方や抱負は。

 素材開発は一人ではできません。他の部署はもちろんですが、他社も含めてつながりが不可欠ですので、メンバー全員が自由に考え、仕事に取り組める環境を作りたいと思っています。自分が課長に就く前からそのような職場ですが、もっと活発化させたいです。

 テキスタイル開発は、衣料テキスタイル・製品開発課が担っていますので、シーズンごとに新商品が出せるように努力を続けます。長年にわたって積み重ねてきた技術やノウハウを生かしていけば、新商品を開発する余地はまだまだあると思っています。

  ――課題はありますか。

 人員も限られていますので、さまざまなことに対する見極めが必要だと思います。自分たちの強みは当然ですが、市場ニーズや時代の流れなどの見極めも求められます。全員で取り組んでいきたいと考えているほか、営業担当者や顧客とのコミュニケーションを深めていきます。

 技術的に困難なものは存在し、できることもあればできないこともあります。それは仕方がないのですが、本当はできるのにやらないで機会を逃すようなことがないようにしたいです。技術の伝承や新たな発想の取り込みも重要であり、課題は山積していると言えるかもしれません。

 「ザ・ネクスト」では不定期に、将来を担う新任の課長クラスの方々に、現在の課題や今後の方針について話をうかがっていく。