ザ・ネクスト/東レ ウルトラスエード事業部 ライフスタイルマテリアル課長 梅澤 幹樹 氏/次の歴史を作る
2025年06月12日 (木曜日)
東レは、今年4月の組織改編でウルトラスエード事業部のウルトラスエード課を再編し、ライフスタイルマテリアル課を設置した。自動車以外の幅広い用途に人工皮革「ウルトラスエード」を販売する同課は、ブランドの認知向上や用途開拓などをミッションに掲げる。課をけん引する梅澤幹樹課長を紹介する。
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――梅澤課長の経歴は。
東レに入社したのは2001年です。モノ作りに携わりたいと考えていたことが志望した理由です。東海工場での研修の後、婦人・紳士衣料事業部に配属されて生地の開発と販売を担当します。11年に現在のウルトラスエード事業部に異動し、19年に中国の東麗国際貿易〈中国〉(TICH)に赴任します。
TICHに在籍した6年間は、自分の経歴の中でも印象に残っています。現地で新型コロナウイルス禍を経験しますが、中国の人たちの心遣いや優しさに触れることができました。一方で商売に関してはシビア。スピード感を含めて、付いていくのが大変でしたが、すごく勉強になりました。
――新たに立ち上がったライフスタイルマテリアル課は。
これまでは一課体制でしたが、同じく4月に発足したオートモーティブマテリアル課が主に自動車分野への販売を担当し、自動車以外の領域をライフスタイルマテリアル課が担います。ファッションやインテリア関連に加え、「エクセーヌ」ブランドで工業材料も販売しています。
ブランドのイメージ向上や認知拡大、用途の拡大が課せられたミッションです。中国赴任時代も感じていたことですが、ファッションは時代の雰囲気をいち早くつかめる分野です。ファッション分野での採用はブランド全体の成長にも不可欠と言え、力を入れたい分野の一つでもあります。
――課長としての考え方は。
事業環境の変化は激しく、これまでのやり方が正しいとは限りません。変えるべきところは変えていきます。指導するのではなく、課員の考えを尊重しつつ、間違った方向に進みそうな可能性があるならば軌道修正するという形が取れればと思います。自由闊達(かったつ)に意見できる風土を大切にしたいです。
幅広い分野で使用されるウルトラスエードとエクセーヌですが、新たな用途は次々に生まれてくるはずです。そうした新しい用途や領域での採用拡大に向け、モノ作りのレベルも高めていきます。ウルトラスエードは長い歴史を誇りますが、用途開拓を継続して次の歴史を作っていきます。