帝人フロンティア 非PUで軽量ストレッチ
2025年06月13日 (金曜日)
帝人フロンティアは、ポリウレタン(PU)弾性糸を使わない新感覚の軽量ストレッチ編み地「ソロテックスデライト」を開発した。
新たに開発したストレッチ原糸とランダム芯鞘型混繊技術を組み合わせることで軽量性や通気性に加えてエアリーな質感とソフトな風合い、ナチュラルな凹凸外観を実現した。26秋冬向けからスポーツ素材として販売を開始する。
近年、スポーツウエアだけでなくカジュアルウエアや婦人服、インナーなどでもストレッチ機能が一般化し、PU弾性糸を使った生地の採用が拡大してきた。ただ、PU混生地は軽量化が難しく、通気性も低いという課題がある。このため帝人フロンティアはポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を使用したストレッチ生地の開発と供給に力を入れ、成果を上げてきた。ただ、通常のソロテックスだけでは要求が高まる新規性のある外観や高質感の実現に限界があることが課題となっていた。
こうした課題を克服するために、新たに細繊度でありながら強力なクリンプ構造を持つことで優れたストレッチ性も持つPTTコンジュゲート原糸を開発。新原糸を芯、鞘にハイマルチのポリエステル糸を配置するランダム芯鞘型混繊技術を組み合わせ、これを高密度・高バランス編組することで繊維表面がナチュラルな微細立体構造となる。これによりPU非使用による軽量性と高通気性に加え、エアリーな質感と高品位、ソフトな肌触りを併せ持つソロテックスデライトが完成した。
新しい質感・外観と快適さを持つほか、機能性原糸のPTTは成分の約40%が植物由来であり、混繊するポリエステル繊維もリサイクルポリエステルを使用することで環境負荷低減にも貢献できる編み地となっている。また、織物の開発も進めており、合繊100%だけでなく天然繊維との交織などでの商品開発も視野に入れる。
26秋冬からまずはスポーツ・アウトドア用途に投入し、26年度(27年3月期)に10万㍍の販売を計画する。スポーツ・アウトドアだけでなくカジュアルやレディース、ユニフォーム、インナーなど幅広い用途にも提案を進め、29年度には100万㍍の販売を目指す。