ごえんぼう

2025年06月16日 (月曜日)

 学生服業界では、性的少数者(LGBTQ)への配慮を背景に、中学・高校での制服モデルチェンジが高水準で続いている▼地域で共通の制服「エリア標準服」を導入し、詰め襟やセーラー服も選べる「第三の制服」を設ける自治体も増えている。お下がり活用の移行措置かと勝手に思っていたが、選択制は恒常的なものらしい▼北九州市では、2020年からエリア標準服を導入している。最近ではブレザーよりも詰め襟やセーラー服の着用率が上回ったという。そこには「『今しか着られない』と言う心理が働いている」と、商社の担当者は分析する▼少子化や高校の授業料無償化など、事前の入学者数を読みづらく、制服を作り過ぎてしまう傾向がある。そこへコスト上昇と多様化の波が追い打ちを掛ける。学生服は比較的「日本製」が維持されているが、その牙城も崩れかねない。業界を挙げての発信をもっと考えていかなくては。