帝人フロンティアのスポーツ素材/原糸からの開発に成果/新規取引先の開拓にも注力
2025年06月16日 (月曜日)
帝人フロンティアはスポーツ・アウトドア向けテキスタイルで引き続き原糸から差別化した高付加価値品を中心に国内外で販売拡大を目指す。2024年度(25年3月期)も増収増益となるなど成果が出ており、特に特殊異形断面糸を使ったテキスタイルの販売が拡大した。
同社のスポーツ・アウトドア向けテキスタイル販売は、海外向けを衣料素材本部のテキスタイル第一部、国内向けをテキスタイル第二部が担う。24年度は海外、国内向けともに堅調な販売となり、増収増益だった。
特に海外向けが堅調。主力の高バランスポリエステル長繊維ニット生地「デルタ」の好調が続いているほか、中空8フィン断面ポリエステル長繊維「オクタ」による中わた兼用生地やフリース調生地、極細繊度ポリエステル加工糸によるスパン調生地「アスティ」などの販売が伸びている。いずれも特殊原糸による新規風合いや機能性が評価された。また、国内向けはインバウンド需要が販売をリードしている。
25年度も引き続き海外市場での販売拡大を進め、増収増益を計画する。河田泰明テキスタイル第一部長は「今期もここまで特に北米市場が堅調。欧州も域内だけでなく、(縫製後の)域外需要に対応した生地販売に力を入れる」と話す。そのため有力取引先との取り組みを一段と強めながら、海外展示会にも積極的に出展し、新規取引先の開拓に力を入れる。
特殊原糸と糸加工と織編・染色技術を組み合わせた差別化テキスタイルを強みに提案を進める。デルタ、オクタ、アスティに加えて、高強力ポリエステル長繊維による超軽量織物「パズモ」、コットン調高密度ポリエステル長繊維織物「ポリリズム」と非起毛スエード調織物「ポリリズムSD」、ポリエステル・ナイロン特殊複合織・編み物「ミクセルNP」などユニークな商品を強みに拡販を進める。
このほど、ポリウレタン弾性糸非使用の軽量ストレッチ生地「ソロテックスデライト」も開発した。こちらもスポーツ・アウトドアだけでなくカジュアルやレディース用途などにも幅広く提案し、取引先の拡大を目指す。