中国OEM/ODM企業が届ける魅力/「AFF・東京2025夏」レビュー/品質や納期などを強みに

2025年06月16日 (月曜日)

 中国のOEM/ODM関連企業が一堂に会し、このほど東京都内で開催された「AFF・東京2025夏」。今回展が44回目という長い歴史の中で、出展を重ねる企業もあれば、初めて参加した企業もある。共通するのは日本市場をしっかりと見つめ、要望に応えようとする姿。中国の新たな魅力が届けられた。

 ニット関連企業が集積したゾーンでは、品質や納期、小ロット対応の観点から中国生産にこだわる企業が少なくなかった。同時に、ASEAN地域やバングラデシュでの生産を強化する企業も目立ったが、どちらも日本の顧客のニーズに対応するものだった。

 今回が初出展となった広州市唯爾森服装も中国生産にこだわる企業だ。広州市内に縫製とプリントの自社工場を持つ。欧米向けを主力としているが、米トランプ大統領の政策による混乱を避けるためにも「日本向けを積極的に増やしていきたい」と話した。

 3Dエンボスやシリコン、ラインストーン、箔(はく)押しなど、さまざまプリント手法に対応する。通常は200枚からオーダーを受けるが、在庫のあるボディーにプリントする場合は1枚から応じる。工場には100人以上の熟練工がいるとし、大量注文にも納期通りに対応するとしている。

 杭州悦和〈Harmony〉服装服飾は、横編み製品をメインとする会社で、現在は日本市場向けが100%と話す。中国国内の協力工場と連携してモノ作りを行い、ハイゲージのアイテムは江西省で、ローゲージ商品は山東省で作る。自社工場では主にサンプルを生産する。

 染色・加工場と連携し、二酸化炭素(CO2)を染色・加工の媒体として活用する無水染色の提案も進めている。「超臨界CO2を用いることで水の使用量がほぼゼロになる。特別な染料が必要で色に制限はあるが、ポリエステルなら20、30色は対応できる」とした。

 山東省恒帛進出口貿易は、ニットを主力とする企業だ。グループの威海意慈納康制衣に約80台、威海晨泰国際貿易に約120台の編み機を持つ。12~18ゲージを中心とするが、3・5ゲージのアイテムも生産する。威海泓丞服飾では織物も生産している。

 会社設立当初は100%日本市場向けだったが、現在は半分近くが韓国市場向けという。日本向けを再強化するため、今年5月に日本法人、日本YH.(神奈川県平塚市)を立ち上げた。「スピード感やコミュニケーションを密にすることでオーダーを取っていきたい」と強調した。