日清紡テキスタイル 差別化素材の販売に勢い
2025年06月17日 (火曜日)
日清紡テキスタイルのユニフォーム地販売を主軸とするテキスタイル事業部は、軽量・通気性・ストレッチ性に優れた高機能織物「エアリーウェーブ」の販売を伸ばしている。販売量は前年の「倍近い勢い」で、別注を中心にワークウエアでの採用が増加。インドネシアでは今秋に広幅織機の増設も計画する。
エアリーウェーブは、耐ピリング・高耐久の特殊綿混糸「エアテックス」を使った生地で、織物でありながら15%以上のストレッチ性を確保している。高通気性・ストレッチ性・軽量感といった特徴が「市場のニーズに合致している」として、昨年から販売が加速。今期に入ってからも好調に推移している。
エアテックスの素材や混率を調整し、さまざまな機能を追求した生地「エアテックスプラス」も市場に投入。軽量感やストレッチ性に加え、吸水速乾性、耐久性、接触冷感など、用途に応じた機能を持たせることができる。
エアリーウェーブやエアテックスプラスでは、ポリエステル80%・綿20%やポリエステル65%・綿35%の混率が主流だが、綿混率50%のCVC糸を使って綿リッチな風合いを出したり、織り組織を変えたりするなど、さらなる差別化も追求。また、ポリエステルには再生の「エコペット」や生分解性の「エコパワー」を用いることで、環境配慮にも対応できる。
これまで同社は、ツイルやギャバジンといった定番生地の販売が多かったが、差別化素材の拡販により、現在では定番と差別化素材の販売比率がほぼ半々になりつつある。インドネシアの紡織拠点、ニカワテキスタイルでは今秋にも広幅織機の増設を計画しており、在庫調整が解消されつつあるワークウエアを中心に攻勢を掛ける。
上半期(1~6月)は前年同期比で増収となり、利益面でも改善を見込む。通期(2025年12月期)では、前期比10%超の増収を目指す。7月16~19日にインテックス大阪で開かれる「はたらく現場の環境展(JIOSH+W)」に出展を予定。エアリーウェーブをはじめとする差別化素材や、モダクリルを使ったストレッチ性のある難燃素材などを発信する。