繊維ニュース

帝人フロンティア スポーツ素材の領域拡大

2025年06月18日 (水曜日)

 帝人フロンティアは、スポーツ・アウトドア向け生地の展開領域を広げる。

 ファッションやインナーなどで採用されるケースは少なくないが、生産能力の問題もあって主体的な動きはできていなかった。今後は婦人ファッション分野に自ら仕掛けていく方針で、提案商材も充実を図っている。

 同社における2024年度(25年3月期)のスポーツ・アウトドア用素材の販売は、国内と輸出ともに増収増益だった。25年度は、輸出で増収増益の継続を目指す一方で、国内は現状維持もしくは微減を予想する。国内で厳しい状況が見込まれる中、これまで取り組めていなかった客層の拡大に目を向ける。

 スポーツ・アウトドア分野が主軸であることに変わりはないとしつつ、同分野では「既に多くの顧客と商売がある。より市場の大きい婦人ファッション分野の需要を取りにいきたい」とした。「ポリエステル100%では難しい世界だが、新鮮味や着心地などを表現して開拓する」とした。

 26春夏向けで開発した新感覚ストレッチの「ソロテックスデライト」もその一つ。原糸や糸加工によって微細立体表面構造とすることでナチュラルな凹凸外観や適度なハリ・コシ、ドレープ感を付与。ソフトでエアリーな着用感といった特徴も持つ。

 そのほか、膨らみのあるソフトな風合いが特徴の極細中空8フィン断面紡績糸「オクタsf」、深みのあるソリッドカラーやきめ細やかなシャンブレー外観を持つ「ミクセルNP」、スパン調の「アスティ」なども婦人ファッション分野に広がりを見せている。

 「オクタ」やアスティなどは原糸や生機のキャパシティー拡充を進める。スポーツを中心に販売数量が増えていることが背景にあるが、婦人ファッション分野でも「オクタやアスティを使う客の数は増えている」。供給体制を整え、これからは婦人ファッション分野にも積極的に提案し、需要を取りにいく。