新内外綿 渦流紡績でパイン糸
2025年06月18日 (水曜日)
綿紡績の新内外綿(大阪市中央区)は、渦流紡績機を使った、綿・パイナップル繊維混糸(パイン糸)を開発した。
10、20、30番単糸の3種類を試作。これから国内生地産地でパートナーを探し、編み地や織物にして国内外の需要を探る。混用率は綿90%・パイナップル繊維10%。
パイン糸は、2024年11月に発売し、これまでリング紡績のみで作ってきた。用途は織物、ニットの衣料品全般。今年5月、同社の紡績工場が保有する村田機械の渦流紡績機「ボルテックス」で紡績することに初めて成功した。
パイナップル繊維は、繊維長などの問題で、同社内では果たして渦流紡績機で糸にできるのか、紡績できたとしても、どのような形状、性質の糸になるのかは全く分かっていなかった。
開発担当者は「失敗や課題が出ることが予想されたが、案外うまく糸にすることができた。毛羽の少ない、奇麗な表面感というボルテックスの良さが出せた」と話す。糸の質感はリング紡績よりやや硬く、編み立ての難易度はやや上がった一方、織物には使いやすくなったと言う。これから生地を作り需要を探る。
ボルテックスは空気の旋回流の力で糸を紡ぐ精紡機。同社は、ボルテックス糸のメリットとして、①糸表面に毛羽が少ない②毛玉ができるのを抑えられる③洗濯に強い④生地にプリントをする際、柄が奇麗に出る⑤水を吸いやすい――という五つのメリットをアピールしている。