ごえんぼう
2025年06月23日 (月曜日)
ここ数日、米価はやや下がっているとはいえ、5㌔で平均4千円を超える高値が続く。ちょうど1年前であれば、その価格で10㌔買えていた▼以前もこの小欄で触れたが、江戸時代以前は古米が新米よりも高値で取引されていた。新米は割れやすく、品質が安定しないとされたためだ。さらに、古米は水分をよく吸い、炊いた際のかさが増す点も理由の一つ▼現代でも、ミャンマーなど一部地域では古米の方が高値で売られる例があるという。あるアーティストが時間のたった米を「熟成された」と表現していたが、あながち間違いとも言い切れない▼ローソンが2023年産の米を「ヴィンテージ米」としておにぎりに活用したのも、なかなか巧みなネーミングだ。貯蔵で古米特有の香りが生まれる一方で、でんぷんが分解されて還元糖が増え、甘みが増すともいわれる。「古米こそうまい」と、価値観が再び逆転する日が来るかも。