国内は待ちの先行投資、海外は認証ありき/多様化する商社のサステ戦略
2025年06月23日 (月曜日)
SDGs(持続可能な開発目標)やサステイナブルという言葉が社会に浸透してから数年がたち、その商材や取り組み内容は多様化する一方だ。とはいえ、国内と海外の温度差はいまだに大きく、ビジネスとして確立させるためには認証問題など克服すべき課題も多い。(吉田武史)
スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)のSDGsへの取り組みは、2019年に環境推進室を設置し、社内認証を伴うサステブランド「エコアーチ」を立ち上げてから徐々に本格化した。担当者は「何も分からない中でのスタートだった」と振り返る。17のゴールを勉強し、業界内外との交流を進める中で、おぼろげながらも進むべき道筋を見つけていった。
22年には「人々にワクワクを 産業にソリューションを 環境と社会にサステナビリティを」というパーパス(企業の社会的な存在意義)を策定。これに基づき、SDGsへの取り組みを深化させている。この数年で徐々にエコアーチ品番は拡大しており、同社が1年間に投入する5千~6千品番のうち25%に達した。当面50%への引き上げを目標とする。
ヤギは環境配慮品番を集めたブランド「ユナ・イト」を昨年リニューアルし、国内外に強く提案している。23年に資本提携したバイオワークス(京都府精華町)のポリ乳酸(PLA)繊維「PlaX」(プラックス)製の糸・生地販売も力を注ぐ事業の一つだ。
プラックスの糸・生地生産はまず、タイで先行する。原料となるサトウキビが収穫でき、トータル製造コストを抑えられることなどが理由だ。生分解性という機能はあえて前面には押し出さず、「植物由来」「CO2排出量削減」「循環」「抗菌・防臭」をうたい文句に国内外への拡販を目指す。
サンウェル(大阪市中央区)も多様な切り口でSDGsに貢献する。オーガニック綿や再生ポリエステルなどを積極的に採用した上でブランディングして生地販売するほか、「備蓄機能でアパレルのモノ作りの無駄を解決する」として日本、中国、タイの3拠点で生地を備蓄する。「いる時にいる量だけ」を実現するこの機能によって生産の無駄が省かれる上、物流時に排出されるCO2の削減にも貢献する。
商社によるSDGsへの取り組みは多様化する一方で、今後もこの流れは続くとみられる。課題は国内外の温度差と認証問題。日本では欧米に比べてまだ圧倒的にサステを求める声が少ないとされ、各社の打ち出しや取り組みは先行投資の意味合いが強い。実需が追い付いてくるまで辛抱の時間が続く。
一方、欧米ではもはや、認証のない商品は売れない。スタイレム瀧定大阪が今期(26年1月期)から認証取得推進室を設置し、各種第三者認証を相次いで取得しているのはそのためだ。
国内向けでは時期を待つための先行投資が、海外向けでは認証を伴う攻めの姿勢が求められている。





