東レ合繊クラスター 環境対応を深化
2025年06月25日 (水曜日)
東レ合繊クラスターは、環境対応素材の開発・提案を深化している。バイオ由来素材やリサイクル素材に、会員企業の繊維加工技術を融合することで意匠性や機能性を高めている。今日25日まで東京都渋谷区のウィズハラジュクホールで総合展を開催し、取り組みの成果を紹介する。
2004年設立の東レ合繊クラスターは、10年から「東レ合繊クラスター総合展」を開催し、15回目を迎えた。今回はハンガーサンプル約400点、製品サンプル約100点(マネキン/トルソー展示約45体)を提案し、このうちの6割が環境に対応するが、目を引くのはモノ作りにおける新たな取り組みだ。
例えば、昨年の総合展でも注目を集めた100%植物由来のナイロン510。「前回展ではナイロン510を使って“このような生地ができた”という紹介にとどまっていた」が、今回は加工技術によって生地表面に変化を持たせるなど、「意匠性を高めることに成功」した。
11デシテックスの糸を使った生地にカレンダー加工で透け感や光沢感を付与したほか、顔料インクジェットプリントを施した生地も並べる。ナイロン6のリサイクル糸を経と緯に使ったストレッチ生地も開発。これらは展示場入口正面の「サステナブルイノベーション」コーナーに展示する。
総合展は、同コーナーのほか、高感性素材の「ハイセンシティビティ」、高機能素材の「ファンクション」、ユニフォーム、インテリアで構成する。ハイセンシティビティでは環境配慮設計がベースの意匠性の高い生地に加え、湿潤ナイロンなどの原糸を使った新開発生地も参考出品している。
ファンクションでは、「戻り臭抑制加工」、ナイロンとポリプロピレンの複合糸を使った汗冷え防止素材などを訴求。ユニフォームでは環境配慮型素材「シンセティックマジック」、ストレッチの「ヴァーチャレックス」を軸に快適性を追求した素材を提案する。
インテリアでは、遮光、遮熱、UVカットをはじめとする機能性をうたった生地(カーテン)を並べ、ホテルなどのニーズに応える完全遮光カーテンもそろえた。1級遮光カーテンは遮光率が99・99%だが、開発品は100%を誇る。ボンディングなどの技術を駆使して機能性と風合いを両立した。