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TDK/使用済みフィルムで作業服/6月から国内工場で着用

2025年06月30日 (月曜日)

 電子部品製造大手のTDKは、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の製造工程で使用したPETフィルムを作業服に再利用する。東レとオンワードコーポレートデザインとの協業で夏用上着を製作し、MLCCを製造する北上工場の一部従業員が6月から着用している。

 TDKは、MLCC製造工程で用いるPETフィルムのリサイクルシステムを確立し、2022年1月から導入している。フィルム表面のセラミック残留物を除去した上で、協業先の工場でペレット化。東レがペレットを用いて成膜化し、そのフィルムをMLCC製造工程で再利用してきた。

 MLCC以外の製品にも使用することで使用済みPETフィルムの利用率を高める方針を打ち出しており、作業服への再生もその一環となる。セラミック残留物のほか、その他の不純物については東レが除去し、高品質な再生原料での紡糸を可能にした。

 糸と生地は東レがグループ会社や協力工場を含めて一貫生産し、トレーサビリティーを確保。オンワードコーポレートデザインが縫製を担当する。作業服にはオリジナルピスネームも取り付ける。北上工場から導入を開始し、他の工場にも順次広げていく。