特集 25秋冬オフィス・サービスウエア(2)
2025年07月01日 (火曜日)
〈海外展開は積極派多数〉
少子高齢化が進む国内において、市場は縮小していく一方である。それならば海外に打って出ようと考えるのは必然的なことかもしれない。進出形態によっては円安も味方になる。
海外市場進出についてのアンケートでは、「すでに海外販売を行っている」2社以外に、「準備段階」2社、「2、3年以内に進出予定」が1社あり、オフィス・サービスウエアメーカーにおいてもいよいよ海外市場を見据えた動きが出てきていることが分かった。
さらに、現段階では具体的ではないものの「将来的には海外進出したい」7社、次いで「パートナー企業が見つかれば進出したい」6社、「越境ECで海外開拓したい」5社などの回答も合わせれば、「進出は考えていない」とする3社以外のメーカーは海外に活路を見いだそうとしていることが分かった。
既に海外展開しているカーシーカシマは中国市場に注力。主力はサービス、美容業向けユニフォームで、内販独自品と日本からの輸出品で展開している。現地メーカー品との価格差も縮まってきており、相対的な競争力は高まっていると言う。
ボンマックスは昨年、タイに現地企業との共同出資でボンマックスタイランドを設立し、サービス、カジュアルウエアを展開している。ユニフォーム備蓄の小口対応や日本のデザインと品質、さらには産地直接仕入れが強みだ。今期は和デザインの刺しゅう風プリントTシャツなどで米国市場にも乗り出す計画。
海外進出の際に目指したいグローバルブランドへの脱皮を図るには、電子商取引(EC)を駆使した直販や、商社、販売代理店との提携で現地市場を直接切り開いていく必要がある。ただ克服すべき課題も多い。進出先の文化、気候、ニーズに合わせた製品開発が重要なのは言うまでもなく、安定した物流網の構築、各国の法規制への対応も求められる。不安定な為替動向は事業環境に最も大きな影響を及ぼしてくるだろう。それでも海外に打って出ることのメリットの方が勝るとの判断が広がり始めている。
〈呼称はどうあるべきか〉
いわゆる事務職に従事する人が着用するユニフォームの呼称が統一されていないという問題がある。1999年にオフィス・サービスウエアメーカー10社で設立したレディースユニフォーム協議会による「レディースユニフォーム」以外に、各メーカー独自の呼称を使用しているのが現状だ。
統一した呼称にする必要はないとの意見もあるが、最近は男女ペアやジェンダーレスをコンセプトとした製品を展開するメーカーも多い。さらには接客要素を盛り込んだ事務職向けユニフォームも増えてきている。
各社のトップがどのように考えているのかのアンケート結果では、僅差で「オフィスユニフォーム」となった。サービスウエアと語呂をそろえて「オフィスウエア」が良いという意見が次いだ。
呼称についての議論が立ち上がった際の参考になるのではないだろうか。
=アンケート協力企業=
アイトス、明石スクールユニフォームカンパニー、アルトコーポレーション、カーシーカシマ、ガードナー、KAZEN WLD、国立、サーヴォ、三光白衣、シー・エム・エル、ジョア、神馬本店、住商モンブラン、セフティ繊維、セロリー、辰野、チクマ、ツカモトコーポレーション、ハネクトーン早川、ボストン商会、ボンマックス(五十音順)