化繊協会 サステ推進などを継続
2025年07月02日 (水曜日)
日本化学繊維協会は、サステイナビリティー推進などを2025年度の活動方針に設定した。新たに化学繊維のライフサイクルアセスメント(LCA)などを加え、八つのテーマで取り組む。
1日付で就任した内川哲茂会長(帝人社長)は「脱炭素というゴールに向けて環境対応製品を正しく届けることが重要」とした。
「中期活動方針2025」の最終年度である今年度は、サステ推進と競争力の基盤維持・強化、情報発信の拡充の三つに重点的に取り組む。サステ推進では、繊維to繊維リサイクルの実現に向けた検討、バイオ化繊の拡大などに前年度から継続的に取り組むとともに、新たに化学繊維のLCAとCSR調達の対応を加えた。
サステ推進の中で資源循環の効率化の目的でトレーサビリティー情報項目の標準化(JIS化)、環境配慮型化学繊維(リサイクル化繊、バイオベース化繊)の表示方法の国際標準化(ISO化)などに取り組むほか、市場拡大を目指してグリーン購入法などの見直し検討に対応する。
化学繊維のLCA算定手順の整備検討も進める。内川会長は「LCAは、リサイクル化繊が良いのか、バイオベース化繊が良いのか、消費者にとって一つの指標になる。これらは業界を挙げて取り組む必要がある」とした。産地企業の負荷となっているCSR調達アンケートの標準様式などについても検討する。
そのほか、協会活動の最適化を進め、その一環として他団体と相互に効果が期待できる連携・協力体制にも目を向ける。中期活動方針終了後の協会の方向性を検討し、パーパスも設定する。「社会的責任を果たすという考えが中心になる。化学産業全体を引っ張る」(内川会長)と強調した。
内川会長は、同日開かれた本委員会で選任され、副会長にはクラレの川原仁社長が就いた。任期は26年6月30日までの1年。