ごえんぼう

2025年07月03日 (木曜日)

 2024年度における国内衣類市場の輸入浸透率(数量ベース)は前年から0・1ポイント上昇し98・6%だった。輸入数量はやや減少したが、国内生産数量も6・6%減の6001万点に落ち込んでいる▼円安の影響で東南アジアなど生産地の移管が進んだ。より低コストで衣料品を生産し輸入したことになる。長引く円安でも国内生産への回帰は限定的だった▼大手・中小アパレルの利益が減少した背景には価格転嫁が進まなかった現状もありそうだ。多くのアパレル企業で値上げを実施したが、生産コスト上昇分を吸収できていない▼物価高は収まらず消費者の財布のひもは堅い。高揚感を誘うセールなどの販促効果も薄れている。ならば在庫を売り減らす旧来の形態から離れ、品質を担保する国内生産の商品を正価で売る。ここに尽きる。特に大手アパレル企業は国内生産の意義を強調している。手遅れになる前に何らかの措置が必要だ。