ごえんぼう

2025年07月04日 (金曜日)

 窓外からドン、ドンと聞こえる。カーテンを開けると遠くの夜空に次々と開く花火。都内で最初に開かれる花火大会だ。梅雨の長い谷間でよかった▼会場では“昭和100年”を記念してJ―POP音楽が流れているようだが、花火が手のひらに収まってしまうほどの距離では聞こえない。音楽配信サービスで代用し、気分だけでも味わう▼日本の花火大会の起源は江戸時代。飢饉や疫病で亡くなった人の供養と悪疫退散の願いを込め、隅田川の水神祭の余興として打ち上げられたのが始まりといわれる。八代将軍、徳川吉宗の計らいだった。その後、花火師が現れて技術が磨かれ、芸術へと発展していった▼近年は環境に配慮した打ち上げ花火も登場。玉皮が生分解性プラスチックで、破片が川に落ちても心配がなく、魚や鳥が食べても悪影響がない。簡易包装でゴミが少ない手持ち花火も出てきた。夏の風物詩、心置きなく楽しみたい。