ごえんぼう

2025年07月07日 (月曜日)

 いつから、短冊に願い事を書かなくなってしまったのだろうか。今日は七夕。織姫と彦星が年に一度、天の川を渡って出会うとされる日だ▼古代中国では7月7日の夜に、女性たちが織女星(織姫)にあやかり、針仕事や機織りの上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」という行事が営まれていた。これが日本に伝わり、やがて短冊に願い事を書いて笹竹につるす風習へと変化したのは、江戸時代に入ってからだそう▼ふと「♪ささの葉さらさら~」という童謡『たなばたさま』が頭に浮かんだ。大和言葉を織り交ぜた、情緒豊かで美しい歌である。驚いたのは、この歌が太平洋戦争の開戦時、1941年に発表されたという事実▼「♪五しきのたんざく/わたしがかいた/お星さま/きらきら/空から見てる~」。あなたなら今、短冊にどんな願い事を書くだろうか。せめて――「子供が犠牲になる争い事が、世界からなくなりますように」