帝人商事〈上海〉/衣類は連携・開発強化へ/産資は種まき刈り取り

2025年07月08日 (火曜日)

 【上海支局】帝人フロンティアの中国法人、帝人商事〈上海〉は2025年下半期、衣料事業でグループ連携を生かし、商品開発を強めていく。産業資材事業では、これまでの種まきの刈り取りを進める。

 衣料事業は、地場スポーツブランド向けの製品OEM/ODMと、日本の大手SPA向け生地販売の二つをメインに展開する。今年上半期は、「前年同期が良過ぎた反動で伸び率は下がったが、双方とも順調だった」と、小笠原重典董事長は話す。

 内販向け製品OEM/ODMでは、糸と生地で差別化した製品を強みに、地場スポーツブランドだけでなく、小口のネット通販ブランドの新規開拓も進めている。ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」と、8葉中空断面ポリエステル糸使い「オクタ」など、「日本本社と連携し、さまざまな素材を提案している」(小笠原董事長)。

 下半期は、改めて開発を強化する。「日本本社との連携をベースに、こちらで競合企業が手掛けていない素材を開発する。社内連携もさらに強化していく」と述べる。

 日系自動車メーカー向けの車両資材が主力の産業資材は、「24年の厳しい状況から回復傾向に転じている。この3年間の努力が実りだした」。カーシートは、従来の編み物と織物だけでなく、合成皮革の新規開発品が日系と地場メーカーに採用され始めている。