ごえんぼう
2025年07月09日 (水曜日)
「高次加工が当社の売りだが、伴って生地トラブルも多くなってしまう」と染色加工場の社長がこぼす▼日本の繊維産業を存続させるための方向性は、「付加価値化」「独自性」で間違いない。どこでも作れるモノ作りをしていてはコストが安い国には勝てない。最近は取材をしていても「日本ならではの商品を」「こだわりの独自品を」という言葉があふれ返る▼繊維製品の原産国は、縫製がどこで行われたかが表示される。日本で販売されている繊維製品の98%以上が海外製(数量ベース)と表示されているのはこのためだ。一方、生地の海外製比率はそこまで高くない。「生地ぐらいは日本製で」という需要が高いことがうかがえる▼海外ブランドでは、縫製国表示とは別に「生地は日本製」というタグを付けたがる動きがあるらしい。「ならでは」を追求するほど品質トラブルは発生しがち。それでもこだわりは捨ててほしくない。