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マック/連携を象徴する新ブランド始動/“仲間意識”創出

2025年07月10日 (木曜日)

 レインウエア製造卸のマック(大阪市東成区)は、エンドユーザーへの認知度向上を狙ったレインウエアの新ブランド「THE TEAM」(ザ・チーム)を立ち上げる。ワーカー向けレインウエアで培った技術や、独自機能を前面に打ち出し、単なるワークウエアにとどまらない、働く人々のプライドや連携を象徴する存在を目指す。

 同社はこれまで売上高の約3割をOEM供給が占めており、最終ユーザーからの認知は限定的だった。「製品に込めた思想や技術をダイレクトに伝えたい」(松倉康二社長)との思いから、新ブランドの立ち上げに至った。ブランド名には「目的を共有する者同士の集合体がチーム」との考えを込め、松倉社長は「建設現場では多様な企業が一つの目標に向かって集まる。その“つながり”こそが原点」と語る。

 そうした“つながり”を象徴する仕掛けの一つが、ジャケットの腕部分に配したマジックテープだ。プロジェクトごとにワッペンを付け替えることで、企業の枠を超えた一体感を演出。共通のウエアを通じて、仲間意識や結束の醸成を図る狙いがある。

 生地には、ストレッチ性を備えたリサイクルポリエステル、防水フィルム、トリコットからなる3層構造を採用。環境負荷に配慮し、PFAS(有機フッ素化合物)フリー仕様とした。

 肩部分には二重構造、袖にはメッシュ構造(いずれも実用新案)を施し、防水性と耐久性を両立。視界を遮らない設計のセーフティフード(実用新案)など、細部まで現場での実用性を追求した。

 ジャケット3型、ズボン4型など、価格帯は3千~1万5千円を想定。レインウエアにとどまらず、防災やアウトドア分野まで提案の幅を広げる。

 16~19日にインテックス大阪で開かれる「はたらく現場の環境展(JIOSH+W)」に出展する。ザ・チームを初披露するほか、太陽光などを蓄えて約8時間発光が持続する蓄光顔料プリント(特許取得済み)などの独自技術を紹介する。ブースには工場担当者も常駐し、海外での一貫生産体制を強みに、新作ウエアをベースにした仕様変更や機能追加といった別注対応の相談にも応じる。

 ザ・チームの販売目標は、同社の年間販売数量約40万着のうち、5%に当たる2万着を掲げる。松倉社長は「展示会を通じて製品のストーリーと技術を丁寧に伝え、共感してくれる層を広げていきたい」と話す。