どうなる 産地の7~9月/北陸産地

2025年07月15日 (火曜日)

素材や用途でまだら模様

 北陸産地は昨年から、先の不透明感を強めながらも稼働は大きく落ち込むことなく推移してきた。足元では全体として堅調な中でも用途によっての差があり、7~9月の景況観も分かれる。

 堅調を持続する用途や回復する用途がある一方で低迷する用途もあり、まだら模様の状況が続く。スポーツ・アウトドアは4~6月に引き続き順調で織布スペースは埋まっており、7~9月も勢いが持続するとみられる。昨年は在庫調整の局面に入って苦戦していたユニフォームも回復している。一方でファッション用途は低迷し、インテリアなど回復が遅れている用途もある。自動車用途は回復しているが、米国の相互関税の問題もあって、今年後半に向けては不透明感を残す。

 市場ではアウトドアを中心に欧米が堅調で、中東民族衣装向けも堅調を持続するが、ファッションを中心に日本が低調で中国の回復も遅れている。アセテート系の苦戦など素材によっても状況が異なる。昨年はタイトだった染色加工のスペースも用途によっては緩和されている。ここでは、長納期化が課題となった昨年に海外加工の検討が進んだ影響を指摘する声も聞かれる。

 ユニチカの繊維事業撤退に続いて、6月にはクラレのポリエステル長繊維生産終了が発表された。合繊メーカーの構造改革が進む中、産地では足元の景況だけでなく中期的な変化への対応も重視されている。

 国内の主要生地産地の7~9月の景況を探る。