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ジム/気候変化を捉えた提案/米産海島綿の強撚など

2025年07月15日 (火曜日)

 メンズニット専業アパレルのジム(東京都渋谷区)は、気候変動による消費動向の変化を捉えた商品の提案を強化する。長く暑い夏に目を向け、26春夏物では、アメリカンシーアイランドコットンの強撚糸によるシャリ感を付与したアイテムやリネン混などを拡充する。

 長く暑い夏の恒常化は衣料品業界に大きな影響を与えている。同社の八木原保会長兼社長は「秋冬物の販売期間は短くなり、一方で夏物衣料の販売期間は20年前と比べて約1カ月長くなっている」とし、26春夏物ではこうした変化を捉えた打ち出しを図る。

 その一つがシーアイランドコットン(海島綿)だ。これまでは同綿花が持っている特性や素材感を生かした提案を行ってきたが、今回初めてアメリカンシーアイランドコットンで強撚糸を作った。この糸を用い、独特のシャリ感やドライ感を持つアイテムを製作した。

 独自開発品では「アイスリネン」の評価も高い。超長綿と上質なリネンを混紡し、清涼感のある強撚加工を施した商品で、リネン独特のドライな肌触りなども特徴。25春夏物はセレクトショップ向けなどが好調に推移し、26春夏の展開にも期待をかける。

 ビジネスカジュアル分野の強化にも力を入れ、ジャケットの下に着用するTシャツなどを商品化した。度詰め天竺のTシャツで、しっかりとした素材感が特徴だ。そのほか、楊柳使いのジャケットやTシャツ、疑麻加工、美濃和紙使い、綿・麻などをラインアップする。