長期的なパートナーへ
2025年07月16日 (水曜日)

インドのアパレルとホームファッションの展示商談会「第16回インドトレンドフェア(ITF)東京2025」が15日、ベルサール渋谷ガーデンで開幕した(17日まで)。開場と同時に多くの来場者が訪れ、活発な商談が展開された。
オープニングセレモニー兼セミナーで、シビ・ジョージ駐日インド大使は、自動車や空調設備などの日本メーカーがインドに新工場を設けるなど、投資加速のニュースを取り上げ、日印の経済関係が強まっていることを紹介した。
その上で「繊維・ファッション産業は伝統と技術、持続可能性、イノベーション、グローバルデザインを掛け合わせて再構築しており、これは日本のニーズとも合致する。今回のITFで長期的なパートナーとなり得ることを実感してほしい」と話した。
インド繊維省のギラリージ・シン大臣は、「インドと日本の交流の始まりは繊維だった。ITFが両国間の経済パートナーシップの架け橋となることを期待している」とし、インドの繊維・ファッション産業の動向と展望を述べた。
インドは世界有数の繊維産業国であり、その市場規模は1840億㌦。政府として「PMミトラパーク構想」や「生産連動型奨励制度」などさまざまな政策支援を通じ、グローバルな競争力と投資誘致力のあるエコシステムの構築に取り組んでいる。
原材料の調達から最終製品の生産まで一気通貫のエコシステムでは、「若い労働力とサーキュラーエコノミーに資する持続可能性を兼ね備えている点が強み」と強調。2030年までの経済成長率が毎年6%超という国際通貨基金の予想、米国の関税政策の影響が限定的なこと、日印間の繊維関連取引の関税ゼロなども加味し、「日本との取引で中国の存在感が相対的に低下する中に入り込んでいく」と力強く語った。