ごえんぼう

2025年07月17日 (木曜日)

 ある全国紙が人工知能(AI)を活用した記事提供を始めている。編集精度が格段に上がり、人間が執筆する記事をしのぐ仕上がりだ▼ケアレスミスがない。売上高や営業利益など数字の比較も完璧、間違えやすい漢字や難読と思われる人名もしっかり書かれている。デスクが最終チェックをしていると思われるが、ストレートニュースはAIが担当しても良いと感じた▼本紙の決算記事やストレートニュースと比較したがこの全国紙の方が簡潔だ。危機感は増すばかり。シンギュラリティ(技術的特異点=人間の知能を越える転換点)が目前にまで迫る▼分析記事もAIが発信しているケースがある。客観性もあり、訴求したい視点も明確。やや淡白な文脈が弱点と感じるが、あっという間に修正されるのだろう。われわれ記者は足で稼いだ情報や深い取材力がさらに求められる。人間として、いや専門紙として気概を持ちたい。