JIOSH+W 暑熱対策に関心高く
2025年07月17日 (木曜日)
16日からインテックス大阪で開催中の労働安全衛生分野の国際展示会「第1回はたらく現場の環境展(JIOSH+W)」では、暑熱対策ウエアをはじめ、快適性・安全性を高める技術に関心が集まった。
連日の猛暑を受け、特に注目されたのが暑熱対策ウエア。空調服(東京都板橋区)のブースでは、海外からの来場者も多く、電動ファン(EF)付きウエア「空調服」の説明に追われていた。売れ行き好調の最新25ボルト仕様では、最大風量毎秒103㍑を2時間連続で送風可能で、その性能に聞き入る姿が目立った。
ペルチェ素子式ウエアへの関心も高い。「早速新規取引先ができた」というのはおたふく手袋(大阪府箕面市)。冷暖両対応で、素子プレートの接触面を拡大するなど独自性が評価され、来年に向けた商談も進行中と言う。ペルチェ式やEFウエアと併用すると効果を実感できるインナーも、高価格帯でありながら好調で、前年を3割も上回る販売実績となっている。
耐熱防炎服を主力とするエイブル山内(横浜市)も、今夏からペルチェ式ウエアを投入。ベストに加え、ガンベルト風の冷却サポーターも開発した。軽量で蒸れにくいメッシュ素材を採用し、フリーサイズ対応で取り扱いやすく、「数社と商談が進んでいる」。
WILLTEX(横浜市)は、電力を使わず長時間冷却を実現する次世代冷却装備「アイスチェンジャー」を紹介。胸と背中に搭載可能な1㌔の大型冷却パックを用い、最大8時間以上の冷感が持続する。EFウエアが使えない現場でも快適に過ごせる。
クラボウは、暑熱下での体調管理システム「スマートフィット」に加え、より扱いやすい腕時計型の熱中症対策バンド「I―BOW」(アイボウ)を紹介。二つのセンサーで外気温と皮膚温を測定し、独自のアルゴリズムで深部体温を推定。暑熱リスクをリアルタイムで通知する。16日に開設したばかりの電子商取引(EC)サイトも披露。自社素材を使ったオリジナルワークウエアに加え、自社素材を採用するユニフォームメーカーのカタログ製品を集めたセレクトショップ形式で展開する。
展示会場内にはアシストスーツ(エクソスケルトン)に特化した特別エリア「エクソストリート」も設置。フラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所、ヴァーゴウェーブ、NKEなど、欧州の先端研究機関・企業が出展し、試着体験や講演を実施している。