山下教授 滋賀にラボ/不織布の分析などに対応

2025年07月17日 (木曜日)

 信州大学特任教授、福井大学客員教授の山下義裕氏はこのほど、不織布製造のツジトミ(滋賀県東近江市)本社3階に「山下ラボ」を開設した。不織布メーカーからの分析依頼や相談などに対応する。

 同ラボは不織布の製造トラブルの原因を探るための顕微鏡や赤外分光などの装置、不織布同士を接着するためプレス機や真空乾燥機、小型引張試験機などを準備。より詳しい分析が必要な場合は信州大学の設備を借りて対応し「不織布メーカーのサポートを目指す」(山下氏)考え。

 さらにエレクトロスピニング法によるナノファイバー試験機も置き、A4サイズ程度の試作品の製作も可能。エラストマー製やゴム製の免震ゴム、スイッチ、タイヤなど各種部材の変形時における応力シミュレーションも行う。

 山下氏はユニチカで繊維・樹脂の研究に携わった後、滋賀県立大学、大阪成蹊短期大学、福井大学で教育・研究を行うとともに、日本繊維機械学会ナノファイバー研究会委員長も務めていた。定年退職後も、これまでの研究を続ける場として、ツジトミが場所を提供し、ラボを運営することになった。分析や相談の案件は各企業と秘密保持契約を交わして進める。