ミラノ・ウニカ/日本勢の商談順調/質の高い来場者目立つ
2025年07月17日 (木曜日)
【ミラノ=Imago Mundi代表・両角みのり】8~10日に開かれた国際素材見本市、「ミラノ・ウニカ」(MU)では、今回も日本パビリオン「ザ・ジャパン・オブザーバトリー」(JOB)が設けられた。
前回のMU(2025年2月)で過去最多の出展者数を記録し、海外からの来場企業も30・5%増と、日本のモノ作りの国際的な地位を再認識させたJOBは、その存在を示すかのように、今年はMUトレンドコーナーの隣に設置された。
出展者数は新規7社を含む42社(32社とJOBネクスト10社)で、参加企業数も展開面積もJOB開始以来、AW展としては過去最大規模の展示となった。円安状況が続く中、輸出に力を入れる中小企業は増加傾向にあり、日本貿易振興機構(ジェトロ)が支援するJOBネクストはスタートして以来最多の10社となった。
初日の電車ストの影響で来場者は少なかったが、中日の9日には持ち直した。最終日は全体的に客足が減少したが、JOBは午後になっても来場者が多かった。出展者によって多少のバラつきはあるものの、大手ブランドのバイヤーも多く訪れ、客数より質の高い来場者が目立った。
ハイゲージの織物ライクな編み地が特徴のドゥミルサンクはMU初出展。自社のできることを実直にアピールし、海外の反応を見たいと語った。
スーツからカジュアルまで幅広くウールの可能性を広げたいという御幸毛織は、注目のデニムをウールで作り注目を集めていた。
栄レースは「プルミエール・ヴィジョン」(PV)からMUへ移行する形で初出展。金糸を使用したリバーレースなど日本製の質の高い製品を見せ、イタリアを足掛かりに欧州でのビジネス展開を狙う。PVと比べてサンプル依頼数は減ったが、大手ブランドなど質の高いバイヤーが多かったと言う。これをどう次へ結び付けていくかが課題だと初出展の感想を述べた。
JOBネクストで初出展の今正ファブリックは、シルクと和紙の日本らしい生地や経糸にストレッチを使った伸縮性のあるウール生地、経糸をカットしたジャカード生地、シルク100%のシワ加工が特徴的な生地などで繊維産地としての米沢をアピールした。客足が途絶えることもなく、好感触で初出展を終えた。
〈統一感のある展示と空間が好評〉
繊維リソース石川は、デザイナーを起用した統一感のある展示と空間が好評で、終始来場者が絶えなかった。「試行錯誤し、どう集客するかを考えた。その結果、初出展の前回と比べると商談は2倍に増えた」と話す。特に初出展のヤマニは資材用途の超軽量メッシュ織物をファッションへ応用した素材が好評を呼んだ。前多は複合合成繊維を中心に質感とドレープ性にこだわった生地を展示。ムツミテキスタイルは、メンズ・レディースの丸編み地、スポーツウエア向け高機能の丸編みジャカードなどを展示した。カジレーネは和紙糸を用いたTシャツやジャケットを中心に展示をし、バイヤーからの評判も良かったが、これからの課題は納期だと語った。
一方、日本から3社がJOBではなく一般コーナーに単独出展した。小松マテーレは昨年に引き続き2回目の単独出展。インディゴ染めのナイロン生地、バイオワークス(京都府精華町)やスパイバー(山形県鶴岡市)、イタリアの染工場ティントリア・エミリアーナとの協業商品などを並べた。「以前と比べ商談は4倍増になっており大変満足している。今後も単独で出展し、周囲のイタリア企業と情報交換をしながら協業も進めていきたい」と語った。
同じく単独出展したスタイレム瀧定大阪は近隣ブースとの連携を強調した。ターゲットを明確に絞り込んだ商品を作りつつ、イタリア法人を活用して営業活動を強めていく、と攻めの姿勢を示した。
長谷虎紡績もグループで単独出展したが、集客には苦戦したようだ。光電子のセラミック粒子を、バイオワークスが開発した植物由来の改質PLA繊維「プラックス」に練り込んだ新複合素材を中わた・ニット素材として初公開したが、技術と機能性の伝え方、集客の方法が今後の課題だと言う。
ある常連出展者は「狙いを定めたマーケティングをし、事前のアポイントも必須。新規客は待っていても来ない」と語る。





