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JIOSH+W/労働安全支える難燃と高視認/海外からも注目の的

2025年07月18日 (金曜日)

 インテックス大阪で19日まで開催されている労働安全衛生分野の国際展示会「第1回はたらく現場の環境展(JIOSH+W)」では、労働安全を支える難燃性や高視認性に優れたウエア・素材が国内外から注目を浴びた。

 消防服・消防用品製造卸のイマジョー(大阪市東成区)は、自治体で採用実績ある消防服を展示するとともに、実際の縫製作業をミシンで実演。製品OEMも国内生産で対応できる強みを訴求した。「予想以上に海外からの来場者が多く、『どうすれば輸入できるか』という問い合わせがあった」として、現場対応に追われた。

 ニッケは、作業現場での安全性と快適性の両立を目指した高機能ワークウエア「F―DEX」シリーズを紹介。アラミド系の難燃素材を用いたモデルは、高い難燃性能に加え、吸湿性・通気性にも優れ、レーヨン系素材との組み合わせにより夏場の着用快適性を実現。独自の革新紡績糸「ブリーザ」によって、抗ピリング性や耐久性も強化している。

 日清紡テキスタイルは、自己消火性を持つ新素材「スペリエンス」を開発。カネカのモダクリル系難燃繊維「プロテックス」と綿を組み合わせることで、快適な着心地と難燃性能の両立を図る。火災リスクの高い現場や防災用途に適した実用素材として展開する。

 高視認性は災害現場や夜間作業での安全性の向上のために欠くことのできない要素だ。帝健(大阪市北区)は、姫路医療センター向けに別注で製作した救命救急・災害対応用の活動服を展示。帝人の高機能メタ系アラミド繊維「コーネックスネオ」を採用し、赤・ネービー・イエローを基調とした高視認デザインによって高い安全性を確保する。国内生産を軸に小ロットでの対応ができる強みも訴求した。

 辰野(大阪市中央区)は、「白以外でも光るリフレクターが欲しい」という現場の声に応え、従来の白一色のリフレクターとは一線を画す、業界初のカラー発光リフレクター「レフライトカラーシャインプラス」を提案。昼間はほぼ無色に見えるが、光が当たると赤・青・黄・銀の反射色が現れる。安全性とともに、衣料の意匠性を高める素材としても注目されそうだ。

〈機能+デザインで捉える〉

 JIOSH+Wでは機能性に加えてファッション性の高いワークウエアブランドも参加している。TSデザイン(広島県福山市)は、造園・土木・建設業など業種ごとのニーズに応じた提案を実施。中でも売れ筋が、ポリエステルながらナイロン調の風合いを持つ新感覚の裏綿素材を使った461シリーズ。芯に再生ポリエステル、外側に綿を使った「パルパーエコ」によって、シワになりにくく、吸水性や速乾性にも優れる。

 レインウエア製造卸のマック(大阪市東成区)は、エンドユーザーへの認知向上とブランド価値の発信を目的とした、新ブランド「THE TEAM」(ザ・チーム)を初披露。現場の一体感や連携を象徴する仕様としてジャケットの腕に面ファスナーを配備した。プロジェクトごとのワッペン着脱で、企業の垣根を超えた“共通装備”としての連帯感を演出する。

 NEXTWORKERZ(兵庫県明石市)は、高価格帯のデニムワークウエアを中心に発信。本革ジャケットを新たに開発し、ワーカーのみならず一般ユーザー層もターゲットに据える。会場には、デニムウエアでラッピングされた大型バンを展示。車内はショップになっており、交流イベントなどで「体験できる展示」として活用する。