クラボウ・ユニフォーム/生地採用促すブランド始動/ECサイトも開設
2025年07月18日 (金曜日)
クラボウのユニフォーム部は16日、ワークウエア専門の電子商取引(EC)サイト「ニューライフワーカーズ」を開設した。サイトでは、同社の素材が採用されたユニフォームメーカーのカタログ定番商品を展開するほか、今後に向けて採用を目指す差別化素材を使ったオリジナルのワークウエアブランド「GOROKU」(ゴロク)の販売にも乗り出す。
これまで展示会に出展した際、ブースで飾るサンプル商品を「来場者から欲しい言われるケースが多かった」(絹本良和ユニフォーム部長)。そこでECサイトを立ち上げ、同社製の生地を使ったウエアを「試したい」「少量で導入したい」といった顧客ニーズの要望に応じ1着から購入できる小口対応を実現。サイトは英語版も作成し、海外からの注文にも対応できる。
オリジナルブランドGOROKUは、伝統・快適性・現代性・機能性・耐久性・美意識の六要素が一体となって働く人を包み込むという意味の「六美一体」に由来。特に欧州で環境への配慮から高まる「長く使える製品」への関心を受け、耐久性に重きを置いた。
素材に綿100%、ポリエステル・綿混(EC)、ポリエステル・綿・ケブラー混を使った3種類を用意。ジャケット、カーゴパンツ、トラウザーのセットアップで展開する。価格は1万2980~1万6280円。綿およびEC素材には三子糸を使い、上品な表面感とともに耐摩耗性を強化。ケブラー混も双糸を使い、独特の風合いと高い耐久性を両立させた。
これらの生地価格は1㍍当たり千円前後とやや高価だが、ユニフォームメーカー向けに同素材の供給も可能で、GOROKUをベースとした製品OEMの企画提案もできる。
また、同社製素材が採用されたユニフォームメーカーの定番商品も取り扱う。難燃素材「ブレバノ」を用いた山田辰(大阪市城東区)や桑和(岡山県倉敷市)、立体裁断「ムービンカット」を取り入れたアイトス(大阪市中央区)、製品洗いでビンテージ感を出した「グランジーン」を採用した寅壱(倉敷市)のカタログ商品を備蓄し販売する。
絹本氏は「これまでなかなかエンドユーザーの声が当社まで届かなかった」と説明。同サイトを通じて「製品を売るというよりも、素材開発につながる潜在的なニーズを捉えていきたい」と話す。