ごえんぼう

2025年07月24日 (木曜日)

 昨年、日本の税関が模倣品として輸入を差し止めた件数が過去最多の3万3千件にのぼった。正規品換算すると約282億円になる▼ゲオHD傘下のリユース専門店「オオクラ」の鑑定現場を取材した。中古品の真贋(しんがん)チェックである。リユースでも人気の「エルメス」「ルイ・ヴィトン」のバッグを鑑定、比較品として精巧に偽造された「N級品」も見せてくれた▼偽造品にも等級があり、A級、S級、N級とランクが上がる。N級は鑑定のプロでも判別が難しい。そもそもブランド側は正規品を見極めるポイントを公開していないため、中古品を扱う企業が独自に真贋ポイントを蓄積している▼N級は革やファスナーの感触も一緒で、シリアルナンバー、刻印の深さも合致する。恐ろしいほどの精度だ。迎え撃つプロの鑑定も負けてはいない。微細な違和感を見つけて偽造品を排除する。水面下で熾烈な戦いが繰り広げられている。