福徳産業/冷感腕抜きの販売伸長/好調につき編み機増設
2025年07月24日 (木曜日)
手袋製造卸の福徳産業(広島県福山市)は、東洋紡エムシーの高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」で編んだ「ゼロエネプラス」シリーズの販売を伸ばしている。耐切創性に加え、熱を吸収し拡散する冷感が特徴で、6月から始まった熱中症対策義務化と猛暑が追い風となった。
ツヌーガは、比熱(1グラム物質の温度を1℃上げるために必要な熱量)が高く熱を帯びにくい性質を持つ。加えて、高い熱伝導率があり、皮膚の熱を吸収し拡散させることで、強い接触冷感を得られる。疎水性のため、製品を水で濡らすと編み目の穴を通じて蒸発し、気化熱によって周囲の温度を下げる。水で濡らして振るとより効果が高まるほか、洗濯をしても効果は落ちない。
さまざまな厚みや長さをラインアップするアームカバー(腕抜き)のほか、ヘアバンドや、ヘルメットに取り付ける冷感フラップなどを展開する。直射日光を反射し、より熱を帯びにくい白と、黒色顔料を練り込み紫外線防止機能を持つ黒を展開する。26春夏に向けてグレーも展開予定だ。
販売の好調を受けて今年、編み機を3台に増設した。来年に向けてさらにもう1台増設する。腕の先に向かって細くなる形状に編み立てたアームカバーを製造するために編み機に改造も施した。「他社では編むことができない形状」(細田信彦社長)で、腕にしっかりフィットする。