だからこの仕事が好き⑰/トンボ 事業開発本部EC事業部EC課 係長 荒木 梓さん
2025年07月25日 (金曜日)
日々が学びでチャレンジング
大手学生服メーカーのトンボで働く荒木梓さん(40)は、現在EC事業部に所属し、電子商取引(EC)向けの製品とともに、同社が今年から改めて販売に力を入れている犬用アイテムの企画に携わっている。
2006年に入社して以降、学校向けの制服から、小学校や幼児向けの商品、一般市場向けの「なんちゃって制服」など、さまざまな商品の企画に携わってきた。思い出に残っているのは、初めて学校物件を獲得できた時のこと。小・中一貫校として生まれ変わることになった学校で、スカートの柄などにこだわったほか、親の負担にならないような手頃な価格の制服を提案し採用された。
当時の校長先生の教育に対する熱い思いを聞いた荒木さん。自身の子供がその学校に通えるように引っ越しまでした。来年から同校に通う予定で、「自分が企画した制服を子供が着ることになります」と笑う。
今、力を入れている仕事が犬用ウエアの企画だ。同社は10年ほど前から新規事業としてドッグハーネスなど、犬用アイテムを展開する。荒木さんは携わり始めて3年目になる。
最初は失敗もした。当時は大型犬向けの商品をメインに取り扱っており、「デザインを変えるだけで同じような商品を作っていた」。ただ、犬のトレンドは10年単位で大きく変わる。新型コロナウイルス禍をきっかけに小型犬のニーズが高まり、大型犬の飼育頭数は減っていた。「初めはそのことも分からなかった」と振り返る。
人間はもちろん、犬種によっても骨格が違う犬用商品の企画は「日々が学びで、チャレンジングな部分がある」と語る。一般社団法人ペットフード協会が出す統計など、さまざまなデータをキャッチしながら商品企画に生かしている。
今年4月、新たに小型犬向けのウエアブランド「ララリラックス」を打ち出した。遠赤外線の効果によって血行促進が期待できるウエアで、「シニア期の前からメンテナンスをしていきましょうという切り口」で訴求する。荒木さんは愛犬を病気で亡くした過去がある。「もう少し何かしてあげられることがあったのではないか。その思いをウエアに込めています」と話す。
今後の目標は、同ブランドの販売を軌道に乗せることだ。猛暑で現在は販売に苦戦するが、「この冬が勝負」として攻勢をかける。販売代理店のある韓国や台湾で期間限定店の開催も計画するなど、国内だけでなく、海外での販売も視野に入れている。
(毎週金曜日に掲載)