「ITF東京2025」レビュー(下)
2025年07月25日 (金曜日)
日印共創の黎明期へ
「ITF東京2025」会期中の成果は出展者それぞれだが、悲観する声は少ない。その一因が、インフォアイ(東京都千代田区)のシステム「キリコムプラス」の活用だ。
来場者自身のスマートフォンで出展商材のQRコードを読み取り、簡単に選び取れる「セルフピックス」機能によって、出展者は「誰がどの商品に興味を持ったか」瞬時に把握でき、会期後の営業フォローの精度が高まる。
トレンドセッターズ・インターナショナル(ニューデリー)は、「女性の雇用・自立支援やフェアトレードなどエシカルな取り組みで注目された。発注数量や納期など具体的な話は今後ピックアップ履歴を基に進めたい」と前向き。「日本人に好まれる色柄や素材感、機能性の傾向が見えてきた」(レコグニションなど)といった声も聞かれた。
来場者からも好評だ。あるアパレルのバイヤーは「スマホでピックアップした商品情報を、その日のうちに各担当者と共有した。OEMの検討スピードが格段に上がる」と期待する。
出展した日本企業、日系現地法人の存在も大きい。ニッセンケン品質評価センターは、2015年にジャイプールに開設したニッセンケン インディアを拠点に、日本向けの品質や納期管理などを現地企業に示唆。これに学んだジャイプール所在の企業を中心に対日輸出が増えた面もある。
19年以降は日印産業競争力パートナーシップに基づいてインド繊維省テキスタイルコミュニティーと連携し、輸出促進施策を強化。今展にも特別協力し、現地優良工場やインド政府の繊維政策など最新情報を伝えた。
スタイレム瀧定大阪のインド法人、スタイレム・インターナショナル・インディアは12年の創設以来、信頼関係を築き、主要取引工場だけで生地、衣料品、雑貨各10社に上る。農家にはオーガニックコットン栽培を支援。これらが来場者の安心材料となり、想定以上の新規開拓に手応えをつかんだ。
財務省貿易統計によると、24年のインドからの繊維製品輸入額は580億円。30年前の1・8倍に増えたが、国別シェアは1%強と変わらない。それだけに、今展は日印共創の黎明を告げる契機と言えるだろう。
(おわり)





