クラレトレーディング/スポーツ堅調が継続/素材軸の提案重視
2025年07月28日 (月曜日)
クラレトレーディングのクラベラ事業部のスポーツ・アウトドア向け生地・縫製品販売は2025年度上半期(1~6月)もほぼ計画通りに推移するなど堅調を維持しているもようだ。独自性の強い素材を活用した商材が販売をリードしている。このため引き続き素材を軸にした提案に力を入れる。
現在、同社のスポーツ・アウトドア向け販売は売上高の70~80%を縫製品が占める。上半期も国内の有力取引先アパレルがインバウンド需要の追い風もあって好調な販売となっていることから、受注が堅調だった。
独自性の高い素材を活用した商材への注目度が高い。優れた速乾性とドライ感が特徴のシンジオタクチックポリスチレン(SPS)繊維「エプシロン」も25春夏向けから採用が始まった。抗ピル性と速乾性に優れるポリエステル短繊維素材「パナパック」使いTシャツなども売れ筋となっている。
近年の猛暑を背景に暑さ対策の機能素材への引き合いも強い。紫外線カット機能のある十字断面ポリエステル長繊維「スペースマスター」や特殊セラミック練り込みによる透け防止機能が特徴のポリエステル繊維「エクステージ」とエプシロンを組み合わせることでUVカット・汗冷え防止を実現する縫製品仕様などユニークな開発も進む。
下半期に入っても引き続き縫製品を中心に独自性のある素材を軸にした開発と提案に力を入れる。資材分野で実績のある特殊原糸を衣料用途でも使用するなどグループ横串での開発に力を入れており、高強力ポリアリレート繊維「ベクトラン」を使ったアウトドア向けリップストップ生地による商品企画が進む。
機能性に優れる独自性の強い商材を強みに、中国など海外のアパレルへの提案にも力を入れる。そのために今後もスポーツ・アウトドア分野を中心に海外の展示会にも積極的に出展する。