青山商事やAOKIの25秋冬/きちんと快適なスーツ提案/端境期商品や軽量コートも
2025年07月31日 (木曜日)
青山商事やAOKIが先ごろ開いた男性向け商品の25秋冬物展示会では、着心地に加え見栄えの良さを重視したスーツやセットアップの提案が目立った。ベストやシャツアウターといった端境期の商品や、軽さを売りにするコートも目を引いた。(相模 活)
青山商事が都心中心に展開する「スーツスクエア」は、編み地のスーツを打ち出す。担当者によると、「大々的に展開するのは初めて」と言う。かっちりした正統派スーツのような見た目と動きやすさを訴求ポイントに据える。素材はポリエステルとレーヨンを使用。高価格帯ラインでは、ウール混やウール100%の商品も用意する。
編み地の弱点は技術で克服した。例えばクリースラインが取れやすい短所は「樹脂を折り目に流し込む特殊な加工を施して、ラインを消えにくくした」(担当者)。
「洋服の青山」は、クラボウの羽毛代替の中わた素材「エアーフレイク」を用いた超軽量コートを投入する。100%再生ポリエステルを原料にした素材で、環境にも優しい。膨らみやすさを表すフィルパワーは羽毛レベルと言う。「一般的な中わたより膨らみやすく、少ない分量でも保温性に優れる」(担当者)。軽くて持ち運びもしやすい。
一方、AOKIが展開するショッピングセンター向け業態の「オリヒカ」は、端境期のビジカジ商品を手厚くそろえる。薄手のダウンベストもその一つ。「昨冬は12月ぐらいまでコートを着なくても、ダウンベストをジャケットの下に着るだけで過ごせた」と担当者。「気温に応じて外衣としても使える」と汎用(はんよう)性の高さをアピールする。
秋の残暑を見据え、グレンチェック柄でスタンドカラーのシャツアウターも提案する。ジャケットなしで過ごす期間が増える中、「Tシャツの上にこれを羽織ればきちんと見える」(担当者)。ポリエステル素材で軽くてシワになりにくいため、かばんにも入れやすい。
主力の「AOKI」は、ロングセラーのセットアップ「パジャマスーツ」で高単価の「プレミアム」を打ち出す。価格はジャケットが1万5290円、パンツが9889円で「スタンダード」より上下で約6500円高い。
フランスの生地メーカー、デレガント社の合繊の編み地素材を採用。ストレッチ性がありながらも、ハリやコシを併せ持つ。「ぱっと見の印象はウール製のセットアップスーツと変わらない」(担当者)。
パジャマスーツは、新型コロナウイルス禍で売り上げを伸ばして人気商品に躍り出た。着心地にこだわり、自宅でも着ていられるようなカジュアル性の高さが特徴だ。当初はリモートワーク向けに打ち出したが、今は通勤着に使う人が増えた。利用ニーズが変わり、「ビジネスライクなパジャマスーツが欲しい」との顧客の声に応え、プレミアムを企画した。
見映えの良さだけでなく、内ポケットを増やすなど使い勝手も高めている。