ごえんぼう

2025年08月04日 (月曜日)

 野球でいえば、スリーアウトで攻守交代の場面である。昨年の衆院選の議席減、最近の都議選の敗北、そして参院選での惨敗。さすがに石破政権は退陣かと思われたが、どうも違うらしい▼今の状況は、三振したにもかかわらず、「比較第一党」という落球によって振り逃げを狙っている――そんなふうにも見える。先日の自民党両院議員懇談会後の続投宣言は、諦めず一塁を目指す執念の走塁に映る。高校野球なら拍手もあるだろうが▼仮にこの振り逃げが成功し、一塁に立ったとしても、与党というチームはバラバラ。支持率は低迷し、党内の協力も乏しく、作戦も通らない。そんな状態で試合を続けられるか▼観客席の国民もベンチの党内も、すでに次の打者を見据え始めている。このまま走塁を続けるのか、それとも潔くバットを置くのか。昨年10月、内閣発足時に語った「納得と共感」は国民からなかなか得られそうにない。