ごえんぼう
2025年08月05日 (火曜日)
生物の多様性は、古生代前期のカンブリア紀に起こったとされる。転換点といわれるのがカンブリア爆発で、現生動物のほとんどがこの時期に出現した▼カンブリア爆発と呼ばれる現象について、「なぜ起こったのか」「生物多様性はその前から」など、さまざまな学説があり、ここで論じるのは筆者の手に余る。関連する書籍は多く出版されているので、興味のある方は自身で調べてほしい▼一方、織物のカンブリア爆発はいつかと聞かれれば、多くの人が「自動織機が出現して以降」と答えるのではないか。日本では、豊田佐吉によって国内初の動力織機が生み出され、1924年に無停止杼換式豊田自動織機が完成する▼日本の織物は縄文時代から作られていたといわれ、自動織機登場以降の発展は、長い歴史の中で考えれば、まだわずかな時間でしかない。繊維・織物の技術的な爆発は再び起こり得る。それは今日かもしれない。