セーレン 今期も過去最高の業績予想
2025年08月06日 (水曜日)
セーレンの業績が拡大している。海外の車輌資材事業がけん引役となり、2025年4~6月期は各段階で第1四半期業績の過去最高を更新した。この数字を受けて26年3月期の利益予想を上方修正し、5期連続の増収増益と5期連続の過去最高更新を目指す。
修正後の26年3月期連結業績予想は、売上高1600億円(前回予想のまま)、営業利益192億円(修正前181億円)、経常利益198億円(187億円)、純利益143億円(134億円)。当初は売上高と営業利益で過去最高を予想していたが、今回の修正で経常利益と純利益も過去最高を見込む。
通期業績の上方修正について、米国経済政策の動向や地政学リスクなど先行きに不透明な要素があるものの、4~6月期の業績拡大に加え、車輌資材事業やエレクトロニクス事業を中心に計画通りに推移すると予想する。米トランプ関税の影響は「ほぼないとみている」。
業績を下支えする車輌資材事業の4~6月期は、売上高と営業利益で第1四半期として過去最高を記録した。国内が前年同期並みにとどまり、米国子会社も日系自動車メーカーの販売減の影響で売り上げを落としたが、アジアを中心にカーシート材の受注が旺盛。品質改善や経費削減も奏功した。
4~6月期はハイファッション事業も増収増益だった。単体ではスポーツ・アウトドア向けアウター素材やインナー素材(差別化製品伸長)が好調。子会社のKBセーレンでは、海外向け特殊衣料用原糸の売り上げが拡大した。
ユニチカの合繊・不織布事業の承継については、「8月下旬に最終契約書を締結し、来年1月に譲渡となる」見通し。業績への寄与は26年1~3月期からとなってくるが、今回修正した26年3月期予想には織り込んでいない。なお、同事業には10年間で100億円の成長投資を実施する計画だ。
車輌資材など順調
セーレンの25年4~6月期連結業績は、売上高406億円(前年同期比5・0%増)、営業利益53億9900万円(31・1%増)、経常利益57億500万円(23・6%増)、純利益40億8800万円(16・6%増)だった。車輌資材事業をはじめ、その他を除いた各セグメントで増収増益を達成した。
車輌資材事業は、売上高276億円(3・2%増)、営業利益41億6700万円(23・5%増)。ハイファッション事業は、売上高54億2300万円(6・7%増)、営業利益4億3700万円(57・5%増)となった。