帝人グループ/航空宇宙の国際認証取得/炭素繊維など供給
2025年08月06日 (水曜日)
帝人グループで、欧州で炭素繊維事業を展開するテイジン・カーボン・ヨーロッパ社(ドイツ)は、航空宇宙・防衛産業における製造工程の国際認証「Nadcap」を取得した。同認証を取得した製造工程で作られた製品を必要とする企業へ、炭素繊維やプリプレグの供給が可能になる。
Nadcap認証は、航空宇宙および防衛産業における特殊工程の品質を管理するために設けられ、米非営利団体のPRIが運営する。熱処理や非破壊検査などの技術分野ごとに認証が設定され、認証取得には高い品質管理や監査体制の構築が必要になる。
帝人グループは、これまで研究開発拠点において炭素繊維やプリプレグの試験の分野に当たる「非金属材料試験」のNadcap認証は取得していたが、今回製造拠点での「非金属材料試験」と製造工程の分野に当たる「非金属材料製造」で取得した。
〈4~6月は減収減益/帝人〉
帝人の2025年4~6月期連結決算(IFRS)は、売上収益2431億円(前年同期比4・8%減)、事業利益78億4700万円(24・5%減)、税引き前利益6200万円(99・3%減)、純損失7億4千万円(前年同期44億5100万円の利益)で、減収減益だった。アラミド繊維の工場における大型定期修繕などの影響を受けた。
繊維・製品セグメントは売上収益821億円(1・0%減)、事業利益40億8700万円(6・7%減)。北米向け生地や国内向けの衣料品の販売は堅調に推移。産業資材は、水処理フィルター向けポリエステル短繊維や生活雑貨は好調を維持した。
マテリアルセグメントは、売上収益1143億円(7・3%減)、事業利益10億6400万円(56・4%減)。アラミド繊維や炭素繊維でのコスト構造改革が進展した一方で、大型定期修繕による操業度の低下や販売攻勢の悪化などが響いた。
通期の業績は、売上収益8600億円(前期比14・5%減)、事業利益350億円(26・8%増)、純利益120億円(57・7%減)を予想している。