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オーミケンシの中国法人/細デニールのレーヨン好調/25年1~6月は大幅増収

2025年08月07日 (木曜日)

 【上海支局】オーミケンシの中国法人、近絹〈上海〉商貿の2025年1~6月業績は、前年同期に比べ大幅増収だった。細デニールと極細デニールの日本製レーヨンの中国内販がけん引した。売れ筋の変化で、利益は伸び悩んだ。

 フェースマスク用途のレーヨンの内販が伸びた。フェースマスク市場は24年まで市況が厳しかったが、「今年は回復しているようだ」と、岩切直彦総経理は話す。

 販売アイテムは入れ替わっている。従来は植物オイルを練り込んだ高価格帯の機能レーヨンが主力だったが、今年はそれよりも単価が低い細・極細デニールのレーヨンが売れている。そのため、「利益率が下がり、利益は伸び悩んでいる。なんとか量で稼いでいる」(岩切総経理)と言う。

 売れ筋の変化は、消費者マインドの低迷で高級なフェースマスクが売れなくなったことが背景とみられる。「高価格帯の販売が厳しくなる一方、細デニールのスパンレース不織布使いが定番化している」

 同社が取り扱う細・極細デニールのレーヨンは、ダイワボウレーヨンの日本工場の委託生産品と、ダイワボウレーヨンの独自素材の双方で、「いずれも販売が伸びている」。

 オーミケンシは20年9月、レーヨン短繊維やレーヨン紡績糸の自社生産から撤退し、ダイワボウレーヨンで機能レーヨンの委託生産を開始した。近絹〈上海〉商貿はこの翌年から、ダイワボウレーヨンの素材の販売を始めた。