ごえんぼう

2025年08月15日 (金曜日)

 ベランダに出した観葉植物の鉢で一茎の雑草が1・5㍍ほどに育った。鉢からひょろりと垂れる本来の主のポトスとは対照的に、スッと立つ▼AIカメラで撮影し種類を調べると、ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)かオオアレチノギク(大荒地野菊)。花で見分けられるそうだが、咲く前で区別がつかない。共にキク科イズハハコ属の一種。南米原産の大荒地野菊は明治維新のころ、北米原産の姫昔蓬は昭和初期に日本に広がった▼いずれも道端や荒れ地などに繁殖する雑草だが、戦中戦後は飢えをしのぐ貴重な食糧だった。『平和図書№1ヒロシマ読本』には、原爆投下後の焼け野原で姫昔蓬を団子にして食べたという記述もある▼小欄で3日連続触れてしまうが、今日は80回目の終戦(敗戦)の日。NHKの世論調査では「核の脅威が高まっている」との回答が8割を超えた。戦争の異常さを繰り返し伝え、不戦の意識を盤石にする時だ。