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トンボ 新中計で売上高520億円へ

2025年08月18日 (月曜日)

 トンボは今期(2026年6月期)からスタートした3カ年の新たな中期経営計画で売上高520億円を目指す。少子化が加速する中、「勝負の年になる」(藤原竜也社長)として、学生服市場でのシェア拡大に加え、新規事業の立ち上げにも挑戦しながら、成長軌道に乗せる。

 前期(25年6月期)は増収、各利益段階とも増益となった。前期が最終年度だった3カ年の中計で掲げていた売上高460億円も達成した。価格改定に加え、モデルチェンジ(MC)の獲得、スクールスポーツ部門や、介護ウエアなどを扱うヘルスケア部門が売り上げを伸ばしたことなどが奏功した。

 新中計で掲げた売上高520億円に向けては、引き続き市場シェアの拡大に向けて攻勢を掛ける。通信制の学校などもターゲットにMC校の獲得を進める。併せて、収益力の強化にも力を入れる。

 新規事業の立ち上げも目標として掲げる。藤原社長は「社外のコンサルタントの力も借りながらやる。基本的には“糸編”の中でやりたいが、こだわりすぎてもいけない。(繊維とは)離れたところでスタートする可能性もある」と話す。このほか、「M&A(合併・買収)も考えていく必要がある」との考えも示した。

 一方で、厚生労働省の人口動態統計(概数)で24年の出生数が68万6061人と初めて70万人を割るなど少子化が進行する中、中計で「これだけ大きな目標を立てるのはこれが最後になる」とも説明。「今後はこの規模をどう維持していくかが重要」として、まずは新中計の重点施策とする市場シェアの拡大を推進する。