オンワード樫山 「アンフィーロ」で売上高100億円へ
2025年08月19日 (火曜日)
オンワード樫山が展開する機能美に特化したブランド「アンフィーロ」の売り上げが好調だ。21秋冬シーズンにデビューして以降、ユーザー目線の快適なウエアを軸に急成長を遂げている。越智大輔執行役員は「売上高100億円も見えている」と、自信を示した。
伸縮性のある合繊使いのジャケットやシャツ、イージーケアを重視したスカートなど機能美を意識したアイテムが好評。直近では二重組織のスエットや洗えるニットウエアなど、素材とデザインのバリエーションを広げている。
当初は婦人服のみを展開していたが、後に紳士服も投入。紳士服でも合繊ジャケットやカーゴパンツ、ショーツ、シャツ類が好調に推移している。単品では、累計8万本以上を販売したヒット商品「最愛ジョグパン」を生み出した。機能性とシルエット、はき心地で支持を集め、豊富なサイズ展開で幅広い女性ユーザーを獲得した。
前期(2025年2月期)の売上高は、24年2月期比93・1%増と大幅に伸ばした。同社の「23区」に次ぐ基幹ブランドへ育成する方針で、猛暑、残暑だった昨年も売り上げは好調だった。
販路もユニークで単独の実店舗がない。アンフィーロを核としたブランド複合店「オンワード・クローゼットセレクト」(OCS)で販売している。自社の電子商取引(EC)でも取り扱い、OCSとECの売上構成比は5割ずつになった。今後は単独店の開設も視野に入れる。
若手社員を多く起用した人員配置や顧客の意見をスピーディーに商品化するスタンスも特徴。4月に行った決算説明会で、オンワードホールディングスの保元道宣社長は「OCSの展開坪数を拡大し、高成長を維持する」と説明している。
オンワード樫山の認定工場で生産し、春夏商品のほとんどが1万円以下という価格帯。今秋冬は、ストレスフリーにこだわったジャケット類やニュージーランドウールにカシミヤを混紡したニットウエアなどを打ち出す。
東レの発熱保湿糸「ソフトサーモ」を使用した裏起毛のワイドストレートパンツも投入する。今秋冬アイテムに占める通年商品の割合は「半分程度」(越智執行役員)とし、年間を通して着用できる機能ウエアも拡充している。