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飯田繊工 カジュアル用途が拡大

2025年08月20日 (水曜日)

 ニット染色の飯田繊工(大阪市東淀川区)は今期(2025年9月期)、前期比横ばいの売り上げを見込む。染色加工はインナーの不調をカジュアルなどアウター用途の拡大でカバー。今後は海外向けの拡大に注力するとともに、引き続き生産効率の向上に取り組む。

 染色加工は前期並みの売り上げを見込むが、コスト上昇で減益となる見通し。売り上げはインナーなど厳しい分野があるものの、カジュアルを中心にしたアウター用途の拡大でカバーしている。市場で猛暑企画や通年アイテムが増えていることを背景に、長袖を含むTシャツ向けが特に伸ばしている。

 今後は海外向けの強化に注力する。海外比率は5%ほどだが、商社と取り組みながら拡販を進め、10~15%に引き上げる。ハイブランド向けを中心に開拓する考えで、国際認証の「GRS」(グローバル・リサイクルド・スタンダード)認証の取得も予定する。

 設備投資は効率化を視点に検討し、来期はクラボウのCCM(コンピュータ・カラー・マッチング)を導入する予定。人の技術が関与するところが大きい作業をデータ化し、人材育成や技術継承につなげる狙いもある。

 現在は人の動作を動画にするなど、生産現場で起きる諸問題への対策などをデータベース化した人材教育システムの開発も進めている。完成後は外部企業への販売も検討する。