特集 染色加工(10)/省エネやサステに貢献/繊維機械/コニカミノルタ/SANDO TECH/京都マシナリー/伊藤忠マシンテクノス

2025年08月28日 (木曜日)

〈コニカミノルタ/反応染料の前処理インク新提案/プリントと同時に吹き付け〉

 コニカミノルタは、インクジェット捺染で反応染料インクと同時に生地に塗布できる前処理インク「O‘ROBE」(オーローブ)を新たに打ち出す。前処理とプリントの工程を統合することで、全工程の短縮化とエネルギー使用量削減が実現する。熟練者に依存する作業工程を減らし、染色加工の持続可能性を高める。

 オーローブは、コニカミノルタのインクジェット捺染プリンター「Nassenger」(ナッセンジャー)シリーズの対象機「8」か「10e」に搭載して使用する。プリント時に、反応染料インクと同様にプリントヘッドから生地に吹き付ける。

 前処理をプリントと同時に行うことで、前処理後の乾燥作業を省略し、そこで使用していたエネルギーの消費をなくす。前処理用の薬剤の使用量も大幅に減らすことができるため、環境負荷低減につながる。また、前処理を施した生地が、保管時の温度や湿度の影響で変色するというリスクも回避できる。

 同社は、プリンター本体とプリントヘッド、インクも自社で開発する強みを生かし、インクジェットでの安定射出に適したオーローブを開発した。国内のタオル産業などインクジェット捺染の需要拡大が見込める市場から、販売展開を進めていく。

〈SANDO TECH/開発力生かしブラッシュアップ/顧客ニーズ対応に最適提案〉

 連続式染色・仕上げ機械の総合メーカーSANDO TECH(和歌山市)は、開発に注力し既存機器のブラッシュアップや新機能の搭載などに取り組む。

 最近開発したカスケード式エコヒート洗浄機は多くの引き合いを得ていると言う。同機は節水型で高効率なエコヒート洗浄機に、カスケードシャワーを搭載することで、さらに高温での洗浄が可能となり、洗浄効果が向上した。今後も、省エネ、省人化、メンテナンス性の向上などの開発に取り組んでいく。

 同社の染色関連機器の国内販売は今期(2026年2月期)、前期に比べ5割増で推移している。新素材への対応など顧客ごとのニーズに応じた取り組み型の開発・提案が受注に貢献。国内染工場の差別化ニーズに応えるため、機器の入れ替えだけでなく、改造、改良など最適な提案を進めた。

 海外販売は米国の関税政策の影響もあり、受注が遅れ減少しているものの、染色機器全体でも前期に比べ20%増となっている。

 一方で、染色関連以外では、フィルム向けの機器が横ばい、産業資材向けが減少している。これにより、全社に占める染色関連機器の比率は約6割にまで向上している。

 来期に向けては、染色機器の国内向けの伸びは落ち着くものの、受注の遅れていた海外向けや産業資材分野での拡大を見込む。

〈京都マシナリー/最適な乾燥で省エネ/シリンダー蒸気量削減〉

 京都マシナリー(京都市)は、生地の染色・水洗後の乾燥工程で最適な乾き具合を実現する省エネ装置の提案を始めた。

 この装置は「MCU シリンダー乾燥用水分制御装置」(MCU)という名称だ。センサーで生地に含まれる水分量を計測し、乾燥に必要な熱蒸気量を計算、シリンダーに流す熱蒸気量を自動でコントロールする。これにより不必要な蒸気使用量を減らし、省エネ効果を生み出す。

 MCU付き乾燥機とMCUなしのものとでどの程度の省エネ効果が得られるかを実験したところ、ある工場ではMCU付きの方が熱蒸気量を40%削減することに成功した。乾燥させる生地には同じ素材、同じ水分量のものを使った。

 実験で時間経過(乾燥の進み具合)に伴う使用エネルギー量の変化を分析すると、生地の過度な乾燥状態(過乾燥)となって以降に多くの熱エネルギーが失われていることが分かった。MCUで過乾燥が防げるため、大きな省エネ効果を期待できるという。

 MCUは、水分量計測センサー・コントロールパネル・蒸気熱流量制御弁・蒸気流量計の四つからなる。タッチパネルで生地の最適な水分値などを設定し、その後は装置が自動で蒸気量を制御する。

〈伊藤忠マシンテクノス/噴霧型染色機導入始まる/仕上げ機なども新鋭機提案〉

 伊藤忠マシンテクノスは、機械専門商社として国内の染色加工業界に向けて世界の最新鋭機の提案を進めている。その一つがアルケミー・テクノロジー社の噴霧型染色機。このほど国内で1号機が導入され、注目が高まる。

 噴霧型染色機は、染液をノズルで噴霧し、下からのバキュームも活用して生地の裏表を染める。通常の無地染めと比べて水使用量を95%、エネルギー使用量を85%削減できるほか、稼働に必要な人員も大幅削減が可能だ。特に細幅織物の染色で威力を発揮するとみている。

 国内での導入が始まったことから、今後は公設試験場に試験機を設置することも検討する。多くの染色関係者が性能を直接確認できるようにすることで導入を促進したい考えだ。

 仕上げ加工や水洗工程にもユニークな機種を提案する。スペロットリマー社の加工機「コンパス」は生地を圧縮加工することでメカニカルストレッチを実現する。ウール100%生地で約10%の伸縮率を実現する。ポリウレタン弾性糸を使用せずにストレッチ性を付与できる点への評価は高く、欧州では多くのテキスタイルメーカーが導入した。

 BSP社の高効率水洗機「キネティカ」も注目の機種。高圧水流を生地に貫通させて洗浄するもので、用水は回収して複数回使用するため節水効果も高い。次世代型の水洗機と言えるだろう。