ごえんぼう
2025年09月01日 (月曜日)
今日9月1日は「防災の日」だ。1923年に発生した関東大震災を教訓に、防災意識を高める目的で60年に政府が制定したものである▼関東大震災はファッションにも大きな影響を与えた。多くの人が着物を失い、衣服の需要が急増。比較的安価で入手しやすく、鮮やかな色彩や大胆な模様が特徴の「銘仙」が人気を集めたと『日本の色彩百科』(城一夫著)は伝えている▼銘仙は絹織物でありながら手頃な価格で生産でき、被災地や都市部でも広く流通。丈夫で日常着としても使いやすく、華やかなデザインから外出着にも適していたことが人気の背景にあった▼現在、銘仙はアンティーク着物として再び脚光を集めている。レトロファッションやアートとしての価値も高まり、リメーク品やインテリア素材として活用される例も増加。震災を乗り越えた人々の希望と美意識が、現代の私たちに改めて語り掛けているのかもしれない。