ユニチカ/事業・株式を譲渡/シキボウやカワボウに
2025年09月01日 (月曜日)
ユニチカは8月28日、繊維事業の構造改革の一環として、グループ子会社の事業および株式を譲渡することを決定したと発表した。譲渡先は、ユニチカトレーディング(UTC)が展開する衣料繊維関連事業および国内外の子会社で、シキボウとカワボウ(岐阜市)が引き受ける。
シキボウへの譲渡対象は、UTCの衣料繊維事業のうち、ユニフォーム営業部、サステナブル繊維営業部の東京テキスタイル課、アパレル製品課の全事業などを含む。これに加え、中国・北京、ベトナム、インドネシアにあるUTCの子会社3社の事業または全株式も譲渡される。譲渡価格は、事業譲渡が26億2千万円、株式譲渡が3億8千万円。開発力や販売チャネルの拡充、人材交流などのシナジー効果が期待される。
一方、UTCが100%出資するユニチカスピニング(長崎県松浦市)については、全株式をカワボウに譲渡。ユニチカスピニングは合繊紡績を手掛けるが、業績が低迷し、固定資産の減損(2億円)を計上するなど厳しい状況が続いていた。譲渡価格は非公表だが、カワボウグループの技術との融合により、紡績事業領域の生産・販売の拡充に貢献できる可能性があると判断した。
この再編により、ユニチカは2026年3月期連結決算で株式譲渡に伴う約3億円の特別利益と、事業譲渡に伴う7億円の特別損失を見込む。通期業績予想は5月14日時点から変更はないが、地域経済活性化支援機構による再生支援手続きにおける債権放棄額の影響を踏まえ、今後修正を行う可能性があるとしている。